智華子セレクション
世界中のお酒を知り尽くしたバーテンダー、大越智華子さんによるオススメのお酒
蒸留所:福岡県朝倉郡筑前町、鎮守の森の側にたたずむ「天盃」。https://www.tenpai.co.jp/
麦と産地:福岡県・佐賀県産「二条大麦」。福岡県から佐賀県南部にかけて広がる、豊かな大穀倉地である筑紫平野産のみ使用。
2020/04/01
この天盃は残念なことに福岡ではあまり知られていませんが、日本全国の焼酎にこだわる方であれば必ず知っている逸品です。麦焼酎と言えば歴史的に長崎県の壱岐のものが有名ですが、この「博多むぎ焼酎天盃」を私は強くオススメします。
天盃はそのこだわりの強さが特長です。まずは「原材料」。福岡と佐賀の二条大麦しか使いません。
さらに特徴的なのは「蒸留方法」で、独自の強いこだわりがあります。理想の焼酎に近づけるために独自に開発した日本で唯一の技法「天盃蒸留式」で、コニャックやスコッチウィスキーのように2回蒸留(常圧)するのです。そのことで旨みを逃さず、余計な雑味が取れます。焼酎造りにおいて、蒸留器から開発なんて、まずあり得ないのです。
そして最後のこだわりは「熟成」。天盃は3年・5年・10年ものなど、たくさんのラインナップがあります。一般的に、蒸留酒はウィスキーのように熟成させると角が取れてまろやかになります。熟成には3段階あり、順を追って「角が取れる」「まろやかさ、芳醇さがプラスされる」、そしてコニャック・ブランデーのように「さらに味わいが深まる」のです。
ですから、この天盃を口にすれば、皆さんが抱いている麦焼酎のイメージを覆すと思います。味も香りも濃厚であるため、例えば麦焼酎ということを隠して皆さんに飲んでもらうと、誰もこれが麦焼酎だとは思わないほどです。ほとんどの方が芋焼酎だと錯覚してしまうほど、味も香りもしっかりとしています。
私のオススメの飲み方は、最初に水と氷をグラスに注ぎ、かき混ぜて水と氷をなじませてから、そこにゆっくりと天盃を注ぐ水割りです。常温のお水だけで割るのも好きです。他にもストレート、お湯割りと、どのように飲んでも美味しいですよ。
中洲のスナックでこの「天盃」を飲めるのはユーアンドユーだけ! 自信を持ってオススメします。
大越さんから紹介して頂くお酒はどれも美味しいのですが、この「天盃」も例に漏れず衝撃を受けました! 少しずつ加水して飲む、グラスを変える、水割り、お湯割り、すべてにおいて香りの味も繊細に変化し、芳醇な香りが鼻腔をくすぐります。博多の人間「博多もん」としてこの天盃を、地元福岡のお客さまはもちろん、全国のリカーファンに自信を持ってお届けします。
ご提供価格:天盃「博多どんたく(3年熟成)」1,000円、「5年」2,000円、「10年」3,000円(すべて45ml、税込)。(ボトルキープは要確認。品切れの際はご容赦ください)
1966年生まれ。千葉市在住。 1941年創業の酒販店の長女に生まれ、三代目として酒販 店と飲食店を経営する傍ら、酒イベントや酒学レクチャー を開催。これまでに 2,500 名以上の酒ナビゲーターを輩 出している。NHK、フジ TV 他、TV・ラジオ誌にきき酒 師として出演多数。雑誌「anan」「Hanako」「BRUTUS」 等、雑誌にて酒類関係記事の執筆等も行っている。
世界中のお酒はすべてそれぞれの気候風土のなか天と地の恵みである農作物から生まれ、食文化とともに育まれてきた伝統でもあります。この素晴らしい伝統文化を酒販店として多くの方にお伝えする使命を持ち、世界各国の酒造場を巡り、実際に現地の声を聞くことで造り手と飲み手の心を結びつけることを心掛けています。
オフィシャルサイト http://www.chikako-ohkoshi.com
日本酒、本格焼酎をはじめ、ワイン、ビール、ウイスキー、スピリッツ、カクテル、ミネラルウォータ、チーズなど酒類関連全般を担うセミナーやイベントを開催。店舗で消費者と接する豊富な経験と実績は酒学講師として定評があり、これまでに2500名以上の酒ナビゲーターが誕生している。毎月1回Sake-Salon酒縁会を開催中。
オフィシャルサイト http://www.liquor-plaza.com/
「酒は文化である」との理念のもと、酒類専門店として消費者にとって安心・安全な日本と世界の銘酒を品揃えするほか、葉巻とタバコの専門店でもある。年間を通じて多数イベントを開催中。
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